おはこんばんにちは、自分語り大好きMasaDoです。
はじめに
この記事は、UECDTM Advent Calendar 2022 14日目の記事です。
11日目のregunさんの記事、読みました。
「自分語りは所詮自己満足です」
MasaDo 死す
前回は13日目のびーふ(jerky)さんの記事...のはずでしたが、公開されなかったため1日飛ばして僕が投稿します。この後公開されるかもしれません。
TTYさんのスウェーデンの生活の話も面白かったです。修学旅行で行ったオーストラリアですら言語の違いで苦しんだ僕には、まぁ無理でしょうね。
今回は僕がいつも作曲をする前に作っている「案出しメモ」というものについて語ろうと思います。
結局自分語りかい!
僕の今の作曲のやり方に関わる話なので、前回よりはまだタメになる方だと思います。別に僕が自分のことを作曲上手い人と思っているから言ったわけではなく、
他人の作曲方法を知るということは割と大事
なんです。我流でも満足するものが作れていたけど、他人のやり方を取り入れてみたらもっと良くなった、なんてことは普通にありますからね。
僕自身は我流なんですけどね。
おい。
まぁでも、大まかな作曲の流れが我流なだけで、聞こえを良くするノーツの打ち方とか、エフェクトをより上手く使うテクニックとか、そういうのは調べて取り入れることもあります。
1. いつも一貫した作曲テーマがあるという話
メモを見せる前にひとつ言っておくと、僕はいつも「自分の曲のジャンルが分からない」とか「模索中」とかほざいている人間ですが、
「大まかに何を表現したいか」
すなわち作曲のテーマはいつもあるのです。
サークルがコンピレーションアルバムを出すときも、曲に統一性を出すためにテーマを決めることがありますよね。あれを自分でもやっているというわけです。「一貫した」とは言いましたが、6~8曲作ったら変えています。これもいろいろ試したいので。これまでの作曲テーマとしては、
- 「感情」
- 「冒険」
がありました。こうやって
作曲テーマを決めておくことで
曲の発想の手がかりとする
というわけです。もちろんこれらのテーマは僕の作りたいものにちゃんと沿っています。
2. 今はどう案出ししてるの?
こんな感じの雛形に沿って案出ししています。
各項目説明していきます。
曲名
曲名案と、それに対するコメント(長所と短所など)を書いておきます。
何を表現するか
案出しメモで一番最初に書き始めるところ。大雑把に、何を表現したいかを書いておきます。日常生活で得たふわっふわのインスピレーションは基本ここにメモります。
発想はどこから
次にまた曲の発想やインスピレーションを得るための手がかりにするために、今回の表現したいものを思いついた経緯を書いておきます。
全体
表現したいものを曲に落とし込むうえで、各場面とか関係なく曲全体で気をつけたい点などを書いておきます。
具体的な音色案
雲のイメージならふわふわした音色、砂漠のイメージなら乾いた音色といったように、表現したいものに合った音色がどういうものかを書いておきます。ですが、ここは大体DAWソフトを触って楽器を色々聴いてみながら書いていきます。
その他
どの項目にも当てはまらない備考などを書いておきます。
具体的な展開案
僕の真骨頂(自分で言うな)ともいえる項目で、UECDTMで先輩から「展開おべけ」と称してもらえたのはこの項目のおかげです。
具体的にどういうシーンを想像して曲を作っていくか、曲の部分ごとに書いていきます。このとき、表現したい場面のディテールと、それを表現するための音楽的な対応付けを両方とも書きます。後の「4曲目『そらのたびロード2』」の項がいい感じの例になっていると思います。
基本的に「何を表現するか」の項が一番最初で、その次に全体、あとは
思いついたところから書いている
感じです。順番に書こうとして、さっきまで思いついていた後の展開を忘れちゃった、なんてことが無いように。
3. 実際のメモから学ぼう
ここからは、「じゃあ一曲一曲のメモでは具体的に何をメモしてるの?」というところを、実際の僕の案出しメモから見ていきましょう。その曲が聴けるYouTubeの動画も貼ってあるので、聴きながらメモを眺めてみてください。自分の作曲に役立てたい方は、赤字のところを特に読んでほしいです。
1曲目『考える種』
僕が案出しメモという概念を初めて導入したのが、2019年2月3日、作曲テーマがまだなかった時代の曲『考える種』です。前回の記事であれだけ「『Moratorium』で展開を意識するようになった」と言っておきながら、初めて案出しメモを作った回は『Moratorium』ではないという一貫性のなさ。
上から、題名、歌詞、比喩の対応関係、各場面で表現したいこと、の順で書かれています。どこから書き始めたとかは特になく、この時から既に、思いついたところから書いていったという感じでした。順番に書こうとして、さっきまで思いついていた後の展開を忘れちゃった、なんてことが無いように。
実際に出来上がった曲がこちら。
しかしこの曲、当時あんまり上手くいったと思えなかったんですよ。その理由は、
比喩を現実と的確に対応付けしようとしすぎて、
音楽としての聴こえの良さのチェックを怠っていた
ことにありました。現実の出来事を、この音色がこれの比喩で、この音色がこれの比喩で...とそのまんま音楽に対応付けようとすると、どこかで音楽には対応付けしにくい部分が出てきます。その対応付けしにくい部分も無理やり対応付けしようとした結果、無理のある音楽となってしまい全体の質が下がってしまったというわけです。
このことから、
たとえ理性で対応付けを行っても、
フィーリングがNoと言うならフィーリングに合わせる
のがいいのではないかと考えるようになりました。
2曲目『Lissajous』
次に案出しメモを作ってから作曲したのは、2021年10月31日、作曲テーマが『感情』だったときの曲『Lissajous』です。
言うて「感情」関係ないやないかい。
上から、題名、表現したいもの、使用楽器、具体的な展開案、の順で書かれています。これまた思いついたところから書いていった感じです。内容を見てみると、やはり比喩の対応付けのメモが多いことが分かります。後から考えると、このときのメモの書き方が今の書き方の原型になったような気がします。
実際に出来上がった曲がこちら。
あれ、なんか短くない...?
そう思った方。
大正解です。
期限間近で作っていたので、最後の方は間に合わず、フレーズ3~フレーズ5を作ることが出来ませんでした。その後作品の集まりの悪さから期限は延長されましたが、そのときにはもう提出してしまっていたうえ、作り直す気力もなかったので、これで完成品、ということにしました。
3曲目『Moratorium』
3曲目は、2022年1月13日に完成した『Moratorium』です。「感情」のテーマで作曲した現状最後の作品です。
自分の作曲テーマ「感情」 × コンピアルバムとしてのテーマ「境界」
=「子供と大人の境界であるモラトリアム期の感情の変化」
という思考回路でモラトリアムを表現することに行き着いたというわけです。
上から順番に場面ごとの比喩の対応付けをメモしています。この回は割と上から順に書いて言った覚えがあります。考える種、Lissajousとの書き方の違いを見ると、
自分の作曲能力で書ける程度の比喩におさえて、
無理な比喩はしなくなった
ように見えます。しかも、それでいて一番表現したい部分の比喩はちゃんと残っているため、
やりたい比喩にうまいこと優先順位をつけられた
ということになります。
実際に出来上がった曲がこちら。
僕が聴くと、無理な表現がちゃんと減ったような気がしますが、他人が聴いた場合はどうなんでしょうね...?
4曲目『そらのたびロード2』
4曲目は、2022年3月17日に完成した『そらのたびロード2』です。「冒険」のテーマで作曲した最初の曲です。
もはや一つの物語のあらすじじゃん。
今回は、
自分の作曲テーマ「冒険」 × コンピアルバムとしてのテーマ「ふわふわ(浮遊感)」
=「空or海を漂う」
という思考回路です。海verもイントロだけ作ったのですが、16小節作ったところで、(ふわふわ...?)と疑問に思い続かなかったので空を題材にしました。
上から、題名、何を表現するか、全体の大まかな楽器構成や常に気を付ける点、具体的な音色案、具体的な展開案、の順で書かれています。始まりと終わりのある物語ではあるものの、引き続き思いついたところから書きました。このメモでもう現在のメモの書き方の基盤は固まっていたと思います。
Moratoriumよりもストーリーに具体性が増した気がします。無理な比喩をしていないのに、本当に空を旅しているかのように感じさせます(当社比)。
ストーリーに具体性を持たせることで、
頭での場面の想像がしやすくなり、
比喩以外の部分での世界観作りもしやすくなった
ということかもしれません。
実際に出来上がった曲がこちら。
やばい、どんどん自分語りが自慢へと負の進化を遂げていく...
『そらのたびロード2』以降
ここからは現在までずっと書き方がほぼ同じなので、まとめて貼っておきます。貼る楽曲は
- 『魔女っ娘の甘い森』
- 『荒廃都市トラディション』
- 『Ice Race』
- 『20才の少年』
- 『The Exit Exists』
の5曲。これらの僕の曲を知っていて、
「あの曲の案出しメモってどんなんだったんだ...?」
と気になった人だけ見て頂ければ構いません。
飽きた方はその時間を他のタスクに費やした方がいいです。
では貼ります。
『魔女っ娘の甘い森』
『荒廃都市トラディション』
『Ice Race』
『20才の少年』
『The Exit Exists』
さいごに
2回にわたる自分語り、
大変失礼致しました。
まだまだ語りたい自分の話はたくさんありますが、いよいよ嫌われそうなのでこの辺にしておきます。
明日はゆずれもん君が音楽ゲームの話をしてくれるそうです。彼もめっちゃ良い曲書くんですよ。僕は『雪明りの郷里』が一番好きです。マジで好きです。
こんな美しい曲も書く一方で音ゲーも上手い彼は、どんなことを語ってくれるのでしょうか、楽しみです。